2010/04/18

山梨 犬捨て山 Ⅳ

 
そんないきさつでジムニーに乗ることになったのだが、とても気に入った!
小柄な私には視界も高くなるしで、たいへん運転しやすい。
追い越しのときなどは、ややパワー不足でもどかしいのだが、なにしろ運転していて楽しい。

山梨までの道のりは一人で行くには決して近くはなかったが、ジムニーのおかげでドライブを楽しむことが出来た。ボランティアしたあとは、ただ帰るだけではなんだかなぁ~という気持ちもあり、日が暮れる前に、わざと舗装されていない山道を走ったり、水が流れているところに入っていってみたりもした。






そんなふうにジムニーを楽しみつつ、その後何回か一人で山へ行き、犬たちのお世話をした。
お世話といっても、一匹一匹頭を撫でて話しかけている時間はない。
山ではあっという間に日が暮れる。

空っぽの水入れに山から流れてくる湧水を汲み、犬たちのケージの中の汚物をスコップでバケツにすくっては指定の場所へ運ぶ。何回も・・・何回も・・。
トイレもないところだが、一匹でも多く水を変えてあげたい、ケージの中をきれいにしてあげたいという気持ちで夢中になり、自分のトイレも忘れてしまう。

当時は家族の同意を得られず、犬を飼うことが出来なかったので、それならばせめて・・という思いで山に出かけていったのだが、犬たちと向き合いながら冷静に考えていくうちに、毎日通えるならともかく、たまに来てお世話をすることよりも、ここから一匹でも多くのコが出て、一日も早く「こんな場所」はなくならければいけないと思った。

家に帰るとそんな「熱い思い」を家族に語り続け、理解を求めた。
そして数か月後、一匹のわんこ「ウリちゃん」を山から我が家に迎えることになった。
ウリちゃんのことはあらためて紹介したいと思う。







私の山でのボランティアはわずかな期間だったが、せめてマルコさんの活動の脚をひっぱるようなことだけはしなかったのか、今でもマルコさんとは年賀状の交換をさせていただいている。
ちょっとした相談や近況報告でメールを差し上げれば、お忙しい中も電話でお返事をいただける。
マルコさんとは話をしていてとても楽しい。
犬以外の話でもどんどん盛り上がる。

マルコさんだってほんとうは悲しい犬の話など、出来ればしたくないのだ。
そんな話をしないですむ日が早く来ればいいと、心から願うのである。