2010/04/06

器物損壊事件 -ヤギのアトム- Atom The Goat

 
動物愛護先進国ヨーロッパの国によっては、飼い主に出会えなくとも、生涯世話をしてもらえる動物のためのシェルターがあったりするが、日本ではあまり聞いたことがない。
個人のボランティアさんが、一時預かりのつもりが結局最後まで・・というのはあるかもしれないが、そういった組織運営のシェルターの存在は少ないと思う。

まず今の日本にそういった施設運営に対して、国の理解と支援を願うのは、残念ながらまったく期待できないだろう。

日本で動物はいまだに「モノ」だ。
物は物でも生き物てはなく、物品の物。
たとえば迷子なら「拾得物」
死んでしまったペットは「廃棄物」
人間が動物にケガをさせたり、殺した場合の罪をなんと言うか・・・?
答えは「器物損壊」である。

そこに命への尊厳と配慮はまったく感じられない。

このような矛盾した法のもとで、子供たちにに命の大切さを教えようなど、まやかしもいいところではないのか。


昨日のニュースに出たこの事件がまさにこの例だ。

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=NPO飼育のヤギのアトム、角2本折られる=

(略)
 「ヤギ自体は肩から上が(血で)真っ赤。ハンマーか何かでひっぱたいたんでしょ。(角の)片一方はまるっきり根元から(折れて)、頭がい骨が見えるほど」   (NPO法人「都川の環境を考える会」 武部功理事長)

 「アトム」は近くの千葉市動物公園に運ばれ治療を受けましたが、角2本が根本の部分から折られていました。シバヤギの角は頭蓋骨と直結しているため、根本の部分には血液が通っており、大出血してしまったといいます。一体、誰が何の目的でヤギの角を折り、持ち去ってしまったのでしょうか。

(略)
 漢方として珍重される鹿の角とは違い、ヤギの角にはそれほどの価値はないのではと、獣医は話します。さらに、鹿のように角がはえ変わることがないため、アトムは角のないヤギとして一生を送ることになります。

現在、落ち着いた様子を取り戻しているというアトム。精神的なダメージもあり、治療には最低1か月以上かかるということです。被害届を受けた警察は、器物損壊事件として犯人の行方を追っています。

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アトムがどれほどの痛ましい傷を受けたかを生々しく詳しく伝えているわりに、獣医のコメントもなにかピントがずれているし、昨今こういった事件を頻繁に生み出している社会へのメッセージが何も伝わってこない。


動物たちが「生きているもの」として権利を得られる未来への道のりはまだまだ長いと、どこかうつろな気持ちになった・・・。


ガンジーの言葉である。

「国家の偉大さとモラルの高さはその国の動物に対する扱い方で判断できる。」

  




頭に包帯を巻いたアトム  
  
  

2010/04/04

うなづけること - THE COVE -

 
今朝の新聞でこのような投稿を読んだ。


隠し撮りも米国流の「自由」

ピアニスト 鈴木 美穂子 (米国 45)

ニューヨーク在住22年になるが、米アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞した「ザ・コーヴ」の隠し撮りを巡る日本人の反応に、正直驚いている。

まず触れておきたいのは、欧米の動物保護の問題を扱ったドキュメンタリーは隠し撮りをして制作されたものが大半であるということ。動物虐待の事実をカメラに収め、証拠をつかんだうえで公に暴露せねば信憑性がないためだ。

例えば、隣人が飼い犬に体罰を与えているのを目撃して「よそのウチのことによけいな口は出すまい」と見て見ぬふりをするのが日本人なら、メディアに訴えて大騒ぎするのがアメリカ人だろう。もちろん彼らの言動には矛盾はある。じゃあ牛や豚は殺して食べてもよいのか、という日本側の言い分はもっともなことだ。

ちなみに監督のルイ・シホヨス氏はベジタリアン。アカデミー賞で「ザ・コーヴ」と同じ部門にノミネートされた「フード・インク」という映画はアメリカ国内の工場式畜産と食用動物の惨状をアメリカ人の監督が隠し撮りで描いたもの。他人であろうと自らであろうと容赦なく批判するーーーそれがアメリカ流「言論の自由」なのだ。




 
 
 
 

2010/04/02

ドリームボックス Dream Box

 
いちどセンターに運びこまれたが最後、施設にもよるが、飼い主自身がつれてきた犬や子猫の場合は即日。迷子だとしても通常4日~1週間後には殺されてしまう。

命がつながる可能性があるのはたった数日間。
無事に飼い主の元へ帰れるコはわずかだ。
首輪がついて人になれた飼い犬でも、肝心な鑑札札がついておらず、飼い主からの問い合わせもなければそこから出れることはもうない。
誰も迎えにきてくれない犬や猫たちは冷たいコンクリートのうえで、待ち受ける死の恐怖に怯えながら過ごす。

「安楽死」などではない。二酸化炭素ガスによって窒息させられる。
地獄の苦しみだ・・・。
いまはオートマティックになっていて、入れられたケージごとベルトコンベアー式にガス室に向かって一つづつ移動する。
耳を疑うがそのガス装置を「ドリームボックス」と呼ぶそうだ。
やはりアウシュビッツのゲートに書かれた「自由になれる!」という〝うそ〟と同じだ。
そこへ入れば夢の国が待っているというのか?

最後に犬たちは「ドリームボックス」と通称「プッシュ」という壁に挟まれるかたちで追い込まれる。
動き続ける壁の内側で、叫び、足をばたつかせながら最後の最後まで抵抗するが、その必死の抵抗も鉄の壁の力には及ばない。

そして死へのボタンが押され、二酸化炭素ガスが注入される。

中での様子は、まともな人間であれば、それがまさしく地獄絵図だということが想像できるであろう。

最後は職員の目視によって全ての犬の死を確認するということだが、
若く体力のある犬などは、死にきれないまま焼却炉へ入れられ焼かれることもあるという。
自治体によってはセンターで職員がその光景を目にすることのないよう、外部へ委託しているところもあるそうだ。

さらに耳をおおいたくなるが、地方によってはドリームボックスを設置するコストの問題なのか、残虐な真空殺という内臓を破裂させて殺す方法や、撲殺するなどの方法がとられているそうだ。


あぁ、神様!


 
 
 
  
  
 




2010/04/01

動物保護センター Animal Shelters In Japan

 

地球生物会議ALIVEがまとめた平成20年度のデータによると、飼い主自らの手で、または捕獲されて保護センターに運びこまれ、ガス室に送られる犬猫たちは286,492匹、前年と比べて2,4万匹減少した。10年前は555,000匹以上だったのだから、たいへんに大きな進歩なのだが、それでもまだまったく喜べない数字だ。

全国にある動物保護センター。
「保護」を辞書で調べると、危険・脅威・破壊などからかばい守ること、ってある。

はっきりいって動物を殺す場所なのに、なぜ保護センターと称するのか理解しがたい。
中には「愛護」「管理」におきかえている所もあるが、結局は同じこと。
敷地の看板に可愛らしくほほえむ動物たちの絵まで施されているところもある。
化粧をしてイメージづくりしている場合ではないのだが。

しかし一方では、熊本県の愛護センターでの例など、さまざまな取り組みに尽力されてい多くの職員の方々が全国にいらっしゃり、そういったセンターが存在するのは大きな希望の光だ。

また2006年の動物愛護法一部改正にともなってか、動物愛護の啓蒙活動も徐々に増えてきているようなので実りを心から祈っている。


センターには、迷子犬や不幸にも野良として生まれてしまった子猫たちのほか、一度は家族として迎えられたペットがその家族の手で運びこまれてくる。

その理由はさまざまだ。


・吠える

・噛みつく

・言うことをきかない

・引っ越す

・ペットが病気または高齢で世話ができない
        /かわいそうで見ていられない

・自分が病気または高齢で世話ができない

・人間の赤ちゃんが生まれる

・家族にアレルギーがいる

・思っていたより大きくなった

・飽きた!!???


・・・・。



だから殺すの?


納得しようのない理由のほうが多い。
 
 
 

  
  
  
  
  
  

2010/03/28

ペットのブーム!?

 
〝空前のペットブーム到来〟 そんな言葉を目にした。

ブームって、いつか去るもの・・・
ペットたちの行く末を思っただけで暗い気持ちになる。

これまでも、たとえば犬であれば、シベリアン・ハスキーにはじまりチワワ、ミニチュアダックスフンドなど、人間が勝手に流行させた犬種をこぞって業者が繁殖させてきた。
日本中で生まれたその仔犬たちはみな優しい飼い主のもとで幸せになったのだろうか?

・・・ありえない。

同じペットショップに何度か連続で足を運べばわかる。
仔犬たちは数週間でどんどん大きくなり「命」につけられた値段が下がっていく。

大セール。最終SALE。
まるで洋服のバーゲンセールのように仔犬たちの「命」にもこの言葉が使われる。
そしてある日店から姿を消す。
やさしい飼い主に出会えたのならいい。
でも見つからなかったのに、お店から姿を消したコたちはどこへ??
あらためて書かせていただくことにしたい。

3年前のデータでは3世帯に1世帯の割合で何かしらのペットを飼っていたから、現在はそれ以上になっているだろうが、ブームといえばそれにあやかるビジネスが横行するのもお決まりだ。
まともな知識すらもたず無理な繁殖を重ね、先天性の病気や奇形を招き犬たちを苦しめ、お客をだます悪質な繁殖業者。
まだ母親を必要とする仔犬を母犬から引き離し、真夜中でも煌煌と明るい店内のショウケースに高額な値段をつけで見世物にする非情なショップ。

そして「命」はいまネットでも売買される。
話はそれるが、去年だったかイギリスのティーンが自分のおばあちゃんを〝口うるさいから〟とネットオークションに出して摘発された。
そんなおぞましい世の中だ。

ペットブームの背景の一つには、社会的ストレスなどから疲れた人たちがペットに癒しを求めはじめているということもあるらしい。
それはそれでいい。事実ペットたちは私たちにとってそのような存在でもあるのだから、癒してくれたぶんそのコにたくさん愛情を注いであげたい。
でもそうする人たちばかりではないのが現実だ。
自分の理想どおりに癒してくれなければ、そのイライラをそのペットにぶつける。
ペットはたまったものではない。
世話をしない、暴力をふるう、そして最悪なケースとして「殺してください」(実際はどのような言葉を使おうと)と保護センターにつれてくる。

その最悪なケースが『異常』に多いのが日本の現状だ。

そうして毎日毎日多くの「命」が全国の動物保護センターに運ばれてきては、悲しくも死に追いやられてゆく・・・



  


  
  

 

2010/03/21

GREEN

 
特にTV好きというわけでもないので、つけっぱなしにしていることはあまりない。
新聞はとっているが、TV番組表もあまりチェックしない。
けれど、たまにスイッチを入れたとき、たまたまチャンネルをかえたときに、偶然観れてよかったと思える番組に出会えることがある。
私の場合はNHK総合またはNHK-BSに多い。

今朝はこの番組だった。

     BS世界のドキュメンタリー
                『グリーン 森を追われたオラウータン』
                                        2009年 フランス Tawak Pictures 製作 

インドネシア。
パーム油の原料となるアブラヤシを植えるプランテーション建設のため、進む森林伐採によって森の住人たちが住む場所を追われていく・・・
かれらたちの行き着く先は、死か、緑豊かなジャングルとはあまりにもかけ離れた孤独な塀の中だ。
平和に暮らしていた森を追われ、生きる気力を失ったグリーンというオラウータンの姿を通して私たちの責任が問われる。

ナレーションも一切ない。
映像だけでメーセージを伝える斬新な演出のドキュメンタリーとして、
科学番組のプロデューサーが集まるジャクソンホール・ワイルドライフ・フィルム祭でグランプリを受賞した作品ということだ。

伐採された大量の木は、工場で紙へ、家具へと加工されていく。
世界中のオープンテラスのカフェに並べられる無数のテーブルとデッキチェア。
室内を飾る高級家具。
道でハンバーガーをほおばる人。
町中に有名モデルがポーズする化粧品の大型ポスターが貼られ、
デパートの化粧品売り場はそれ目当ての女性客で賑わう。

そんな映像をバックに、唯一番組中に一曲の歌が流れる。


  私は買い物中毒なの
  満足するまでやめられない

  もっと欲しい!

  それがどうやって出来ているかなんてどうでもいいわ
  私はお金を使うのが大好きなの 

  もっと欲しい!


そんなような内容の歌詞だった。








*パーム油はインスタント食品・スナック菓子・マーガリン・石鹸・洗剤・化粧品などに使われています。
 
 
 

2010/03/20

序文

 
はじめまして。

このブログで主に取り上げるのは、私たち人間のために犠牲になり続けている動物たちのことです。

飼い主に見捨てられ毎日全国で殺されている犬猫たち。
生まれてすぐ母親から引き離されペットショップで売られる仔犬たち。
食用として殺されるためだけに生まてくる子牛、子豚、ヒヨコたち。
死ぬまで実験施設で苦痛を与えられ続けながら生かされる動物たち。
動物園、水族館、サーカス・・・。

人間の身勝手な都合で、不必要な苦痛を与えられ、無理矢理絶たれる尊い命があります。その悲痛な叫びは私たちの暮らす生活とは遮断され、けっして聞こえてくることはありません。

現代の日本人のほとんどが口にする動物の肉、女性が大好きなコスメにヘアケア用品、レザーにファー製品、そして医療も、あくまでも動物たちの悲惨な犠牲あってのうえでの恩恵だということを、どうか忘れないでいただきたいのです。

一人でも多くの人がそういった現実を知り、意識するようになることで、彼らが閉じ込められている暗闇の中に一筋の光を差し込むための力になればと考えています。


こども、高齢者、障害者への虐待。
学校・職場・家庭内でのいじめ・暴力。
毎日毎日心の痛むニュースばかりが飛び込んでくる悲しい世の中です。
人に言わせれば動物を思いやっている場合ではないのかもわかりません。
その情熱と時間をまず人間のために使え、と言われるかもわかりません。

もしそのようにお考えの方は、今日にでもぜひ人間のために何かアクションを起こしていただきたいと思うのです。

私は人間だけでなく動物のためにも動きます。
なぜなら慈しみの心と命への敬意というものは、人間でも動物でも、相手によって変わるものではないからです。

動物たちにも感情と知性があります。
痛みを感じる神経があります。
ただ人間と違いどんなに苦しくともかれらは自ら命を絶つことは出来ません。
そのことを身勝手な人間がビジネスのために、エンターテイメントのために、また精神的に歪んだ人間が暴力の矛先にするために「完全無視」しているだけなのです。


現実を自分自身で知ろうとすること。想像し考えること。
そして見てみぬふりをしないこと。
人のためでも、動物のためでも、環境のためでも、一人一人が出来ることから始めていけばいい。
小さなことでも。一つだけでも。

何もしない・・・少なくとも私にはそれが一番苦しいことです。



「わたしたちのすることは大海のたった一滴の水にすぎないかもしれません。 でもその一滴の水があつまって大海となるのです。」
       マザー・テレサ