2010/04/04

うなづけること - THE COVE -

 
今朝の新聞でこのような投稿を読んだ。


隠し撮りも米国流の「自由」

ピアニスト 鈴木 美穂子 (米国 45)

ニューヨーク在住22年になるが、米アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞した「ザ・コーヴ」の隠し撮りを巡る日本人の反応に、正直驚いている。

まず触れておきたいのは、欧米の動物保護の問題を扱ったドキュメンタリーは隠し撮りをして制作されたものが大半であるということ。動物虐待の事実をカメラに収め、証拠をつかんだうえで公に暴露せねば信憑性がないためだ。

例えば、隣人が飼い犬に体罰を与えているのを目撃して「よそのウチのことによけいな口は出すまい」と見て見ぬふりをするのが日本人なら、メディアに訴えて大騒ぎするのがアメリカ人だろう。もちろん彼らの言動には矛盾はある。じゃあ牛や豚は殺して食べてもよいのか、という日本側の言い分はもっともなことだ。

ちなみに監督のルイ・シホヨス氏はベジタリアン。アカデミー賞で「ザ・コーヴ」と同じ部門にノミネートされた「フード・インク」という映画はアメリカ国内の工場式畜産と食用動物の惨状をアメリカ人の監督が隠し撮りで描いたもの。他人であろうと自らであろうと容赦なく批判するーーーそれがアメリカ流「言論の自由」なのだ。