古代ローマ、中世、現代に至るまで、人間だけがその知恵を駆使して、動物だけでなく同じ人間を残酷な方法で苦しめてきた歴史がある。
現在、畜産業界に導入されている、効率だけを追求したアメリカ式ともいえる工場式畜産。
牛、豚、鶏たちの命を、人間が利益を得るために搾取する単なる商品とみなした、残酷きわまりない拷問に等しい畜産方法だ。
動物福祉先進国のヨーロッパでは、すでに禁止されているものが多い。
いっさい緑すらないアメリカの巨大な牛農場
上空から見ると、この何倍もの大きさである
牛はクレーンでこの重い体を片足だけで吊りあげられる
それだけでも耐えがたい苦痛だ
乳牛も最後には食肉になるということをご存知だろうか
横にもなれないこの木枠(クレート)の中で一生を過ごす豚
食肉用の子牛も同様であり、
その残酷性からEUでは使用が禁止されている
繁殖用の雌豚は妊娠中の約3か月もの間
ストールとよばれるこの枠に拘束され、
向きを変えることもできない
夜にも人口照明をあてられ、日に2度排卵を起こさせられる鶏
すし詰めのケージで2年もの間卵を産まされ続け、
力を使い果たしたとみなされると殺処分される
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The Farm Sanctuary's Virtual Experience
このサイトでは畜産農場の現場をバーチャルで体験出来るようなっている。
残念ながら、こういった日本語のサイトはなかなか見つけることが出来ないので、どうか英語だからと面倒くさがらずに、翻訳ページを使ってでも、ぜひ覗いてみていただきたい内容のものだ。
なぜなら、今では輸入肉やこうした畜産方法は、私たち日本人の食生活に無関係ではないからである。
カメラを首からさげた女の子が畜産農場をレポートするという、アニメーションスタイルになっていて、画面の中に何カ所かづつクリックできるポイントがある。
ほとんどの動物の扱いについて説明されているので、ぜひ農場の隅から隅までを見学していただきたいと思う。
ほとんどの動物の扱いについて説明されているので、ぜひ農場の隅から隅までを見学していただきたいと思う。
またれぞれの画面のはじめに出る、動物福祉への思いが込められた著名な人々の言葉も、ぜひひとつひとつ読んでいただきたいと思う。
前の投稿でも書いたが、肉食は人間の体にとって必要がないことが、現在はっきりとわかっているし、それどころか、心臓病・大腸ガン・乳ガン・子宮ガンなど、むかしの日本人にはなかった死因にもつながっているということも常識になっている。
じつは「キレる」「うつ」などの増加も、社会的背景のほかに現代の食生活が密接に関係している、ということがわかっている。
ホルモンのバランスが性格をつくるといっても過言ではない。
それでも「どうしても食べたい」という理由で肉を口にするのであれば、せめてバーチャルでも、その痛みと苦しみを伴って死んでいった動物たちの生涯をぜひ見届けてほしい、というのが私の願いだ。
そうすることではじめて「いただきます」という言葉がどれほどの重みを持つのかを真に理解出来るのではないだろうか。
いま私たちは「いただきます」を口にモノを頬張る前の決まり文句のように乱用してはいまいか・・。
実際、自らの手で野生の動物をしとめなければ、命をつなげない場所に暮らしている人々は、そういった命の重みをしっかりと受け止めているということが、その言葉や生活の中にうかがえる。
しかし私たち日本人が肉を食べるのは、そういった生きるか死ぬかの次元ではなく、これも繰り返しになるが、たんに「食の嗜好」としてなのである。
しかも、私たちがそれら動物を自らの手で育て、その成長を見守り、自らの手で殺めることはほとんどない。
「いただきます」と言っていただく命が、もともとはどのように生きていたもので、どのようにして食卓に並ぶのか・・・。
肉についても野菜や魚と同じように、ぜひそうした事実を知ってから、もういちどあらためて考え、食べるか食べないかの答えを出してほしいと願う気持ちでいる。