2010/07/02

The Hub of Animal Trafficking: Iraq

 
密輸入の「ハブ」と化した動物園 -イラクー


ごみ捨て場さながらの汚い檻に入ったヒヒを、少年たちが寄ってたかって棒でつつくーイラクの動物園では日常的な出来事だ。

「動物は不潔な場所にすし詰め状態にされている」と言うのは、イラク北部クルド人自治区得るエルビルのグルカンド動物園を訪れた、環境保護団体ネイチャー・イラクのアンナ・バックマン。

「檻に動物の説明が貼ってあったとしても、間違った種名が書かれていることが多い」。動物園とは人々の教育と絶滅危惧種の繁殖のためにあるのだとしたら、ここはどちらの役割も果たしていない。

この動物園にいる動物の大半がアフリカやタイから密輸入され、国内のコレクターに売られている。

ネイチャー・イラクの調べでは、グルカンドは野生動物の違法取引のハブと化している。先日は、あるバイヤーが8万ドルの売値を付けられた赤ちゃんライオンの値引き交渉をしている現場が目撃された。

国内種であっても、野生動物やその肉が売買される地元の闇市場から入手したものだ。
「人権侵害が起きやすいイラクでは、動物の命も軽く扱われてします」と、ネーチャー・イラクのオマール・ファドヘルは言う。
「こんな環境で育った子供たちにとって、食料や楽しみのために動物を殺すことなんて何でもない」


                          -Newsweek- 6/16/2010