〝空前のペットブーム到来〟 そんな言葉を目にした。
ブームって、いつか去るもの・・・
ペットたちの行く末を思っただけで暗い気持ちになる。
これまでも、たとえば犬であれば、シベリアン・ハスキーにはじまりチワワ、ミニチュアダックスフンドなど、人間が勝手に流行させた犬種をこぞって業者が繁殖させてきた。
日本中で生まれたその仔犬たちはみな優しい飼い主のもとで幸せになったのだろうか?
・・・ありえない。
同じペットショップに何度か連続で足を運べばわかる。
仔犬たちは数週間でどんどん大きくなり「命」につけられた値段が下がっていく。
大セール。最終SALE。
まるで洋服のバーゲンセールのように仔犬たちの「命」にもこの言葉が使われる。
そしてある日店から姿を消す。
やさしい飼い主に出会えたのならいい。
でも見つからなかったのに、お店から姿を消したコたちはどこへ??
あらためて書かせていただくことにしたい。
3年前のデータでは3世帯に1世帯の割合で何かしらのペットを飼っていたから、現在はそれ以上になっているだろうが、ブームといえばそれにあやかるビジネスが横行するのもお決まりだ。
まともな知識すらもたず無理な繁殖を重ね、先天性の病気や奇形を招き犬たちを苦しめ、お客をだます悪質な繁殖業者。
まだ母親を必要とする仔犬を母犬から引き離し、真夜中でも煌煌と明るい店内のショウケースに高額な値段をつけで見世物にする非情なショップ。
そして「命」はいまネットでも売買される。
話はそれるが、去年だったかイギリスのティーンが自分のおばあちゃんを〝口うるさいから〟とネットオークションに出して摘発された。
そんなおぞましい世の中だ。
ペットブームの背景の一つには、社会的ストレスなどから疲れた人たちがペットに癒しを求めはじめているということもあるらしい。
それはそれでいい。事実ペットたちは私たちにとってそのような存在でもあるのだから、癒してくれたぶんそのコにたくさん愛情を注いであげたい。
でもそうする人たちばかりではないのが現実だ。
自分の理想どおりに癒してくれなければ、そのイライラをそのペットにぶつける。
ペットはたまったものではない。
世話をしない、暴力をふるう、そして最悪なケースとして「殺してください」(実際はどのような言葉を使おうと)と保護センターにつれてくる。
その最悪なケースが『異常』に多いのが日本の現状だ。
そうして毎日毎日多くの「命」が全国の動物保護センターに運ばれてきては、悲しくも死に追いやられてゆく・・・